インバウンドインフルエンサーマーケティングとは?メリットや活用事例なども解説!
「インバウンドインフルエンサーマーケティングはどのようなものだろうか?」
「マーケティングのメリットや注意点を知りたい!」
「インバウンドインフルエンサーマーケティングの事例は何があるだろうか?」
在日外国人をインフルエンサーとして起用し、InstagramやTwitter、YouTubeなどのSNSでマーケティングを展開するために、以上のような疑問を持つ人もいることでしょう。
インバウンドインフルエンサーマーケティングによって、企業や団体、自治体などのサービスや宣伝をすることができます。
ぜひ、最後までご覧ください。
日本のインバウンドインフルエンサーマーケティングの市場はどのくらい?データからみたメリットを考察!
日本のインバウンドインフルエンサーマーケティングの市場は、具体的にはどのくらいの規模かを知るには、来日するインバウンド旅客数データを見てみます。
来日するインバウンド旅客数データを見ると、日本が海外から見てビジネスにおける魅力が具体的な数字で示されているということでもあるので、日本のインバウンドインフルエンサーマーケティングの市場の規模を知ることができるでしょう。
データは、インバウンド旅客数データを来日するインバウンドの総数と、ビジネス目的で来日するインバウンドの数と2つ見ていきます。
実際に来日する、インバウンド旅客数データを見ながら、メリットを考察してみましょう。
来日するインバウンド旅客データ
来日するインバウンド旅客数は、日本政府観光局(JNTO)が「訪日外客数」として2003年から毎年まとめています。インバウンド旅客データを実際にみてみると、2019年までは年々増加傾向でした。
3,000万人を突破したのは2018年ですが、2020年から社会情勢の影響で来日するインバウンド旅客数は、2022年に300万人まで減少。2023年以降は社会情勢が、来日するインバウンド旅客数に、どのような影響を与えるか現時点で確かなことは不明です。
しかし2025年には国際的に大きなイベントである大阪国際万博を控えているので、2025年は万博会場である大阪はもちろん、大阪周辺の観光地である京都、神戸などの観光地に多くのインバウンド旅客数が見込まれることでしょう。
ビジネス目的で来日するインバウンドデータ
ビジネス目的で来日するインバウンド旅客数は、先ほど「訪日するインバウンド旅客データ」でも解説した、日本政府観光局(JNTO)が「訪日外客数」からビジネス目的のみに絞った2021年までのデータがあります。
ビジネス目的で来日するインバウンド旅客数は、2011年の東日本大震災があったときは120万人です。2019年では170万人になりました。
しかし、2020年からは社会情勢の影響もありビジネス目的で来日するインバウンド旅客数は、2020年は20万人、直近データの2021年では2万人弱という数字です。
2020年からの社会情勢による影響はあるものの、多くの海外企業が日本に魅力を感じ、ビジネス目的で来日していることがみてとれます。
インバウンドインフルエンサーマーケティングとは?メリットについても解説!
インバウンドインフルエンサーマーケティングとはどのようなものでしょうか。また、インバウンドインフルエンサーマーケティングのメリットについても解説します。
インバウンドインフルエンサーマーケティングを説明する前に、まずは、インフルエンサーマーケティングから解説します。
インフルエンサーマーケティングとは、Instagram・FacebookなどのSNSで多くのフォロワーがいるインバウンドインフルエンサーに製品・サービス(以下製品など)を体験してもらい、感想をSNSに投稿し口コミ効果を得るマーケティングの方法です。
インフルエンサーマーケティングと既存のマーケティングを比較すると何が違うのでしょうか。
既存のマーケティングと比較したところ、主に以下の4つの特徴があります。
- SNSを通してフォロワーやユーザーによる口コミとシェアが期待できる
- マーケティングがSNS(インターネット)上で行われるためデータがすぐに取得でき効果分析がしやすい
- インバウンドインフルエンサーのフォロワーに製品などを訴求するためターゲティングがしやすい
- 広告というより体験の感想がメインなのでフォロワーやユーザーに受け入れられやすい
インバウンドインフルエンサーマーケティングは以上の4つの他に、さらに次の項目でも、特徴を説明します。
インバウンドインフルエンサーマーケティングの特徴
インバウンドインフルエンサーマーケティングの特徴は何でしょうか。
インバウンドインフルエンサーマーケティングの特徴を見るために2つのデータをまとめました。
- 世界全体における国際観光客数の長期予測
- 日本国内のインフルエンサーマーケティング市場データ
世界全体における国際観光客数の長期予測は内閣府によると、今後2030年までの間に世界全体で年平均4,300万人のペース(年3.3%増)で増加。2030年には、国際観光客数は約18億人に到達し、2010年の約2倍に増えると予想されています。
日本国内のインフルエンサーマーケティング市場データは、株式会社サイバー・バズ/株式会社デジタルインファクトの市場動向調査によると、2023年の国内インフルエンサーマーケティング市場規模は741億円。国内インフルエンサーマーケティングの需要はますます広がり、2027年には1,302億円に到達すると予想されています。
世界全体における国際観光客数の長期予測や日本のインフルエンサーマーケティング市場データを見てわかるように、日本に外国人が訪れることによってインバウンドインフルエンサーマーケティングは、今後ますます拡大していくでしょう。
インバウンドインフルエンサーマーケティングのメリット
インバウンドインフルエンサーマーケティングのメリットには、外国人に日本のことを理解してもらえたり、諸外国との交流ができたりすることなどが挙げられます。
それでは、詳しくみていきましょう。
円滑なコミュニケーション
円滑なコミュニケーションとは、インバウンドインフルエンサーとの会話が、スムーズに行われることを指します。
インバウンドインフルエンサーが、日本語を話せるとお互いのコミュニケーションは、スムーズに行われるでしょう。
日本の情報に敏感なインバウンドインフルエンサーは、日本に関する情報を自国の言語の他に、日本語で収集しています。
自国の言語以外に日本語を話せるインバウンドインフルエンサーは、ビジネスパートナーとした場合、言語による障害が軽減されて業務を円滑に進められるでしょう。
日本のことが理解できる
インバウンドインフルエンサーは、日本人が知らなかったり、当たり前だと思っていた日本の文化・ニーズを深く理解するのを助ける存在になります。
製品などとなじみやすいインバウンドインフルエンサーに相談し外国人向け製品などの助言をもらうことによって、製品などを外国人に効果的にPRするための発想が得られるでしょう。
主に海外で人気のインバウンドインフルエンサーは「旅行」「グルメ」「コスメ」「ファッション」など自身が得意とする分野の専門家であり、日ごろから情報を収集しているため最新トレンドも理解できます。
外国人向けだけではなく日本人向けの新製品などを考える場合も、インバウンドインフルエンサーに企画の段階から日本人の好む製品などの助言をもらい発想が得られるでしょう。
国内外インフルエンサーとのつながり
インバウンドインフルエンサーマーケティングには、国内外問わずインフルエンサーとのつながりがあるとよいです。
国内外インフルエンサーとのつながりがあれば、インフルエンサーのフォロワーに向けて製品などを紹介できます。
製品などを紹介する際に、インバウンドインフルエンサーに協力を得ることができたら、製品を使用したりサービスを利用してもらうことで、海外や日本のSNSユーザーに積極的にアピールできるでしょう。
インバウンドインフルエンサーマーケティングを行う際に、国内外問わず有名なインフルエンサーとコラボをした実績があると、インバウンドインフルエンサーに信用してもらいやすいため製品などを紹介しやすくなります。
製品・サービスの認知拡大
インバウンドインフルエンサー本人はもちろん、インバウンドインフルエンサーを取り巻くコミュニティーを活かすことによって製品などの認知拡大につながるでしょう。
インバウンドインフルエンサーはすでに数万~数十万人というフォロワー(ファン)がいるので、インバウンドインフルエンサーフォロワーの人々に効率的に製品などを広報することができます。
自分自身でフォロワーを開拓することも大切ですが、インバウンドインフルエンサーやフォロワーに製品などを効率的に認知してもらい新たなファンの獲得につなげられることは大きなメリットです。
インバウンドインフルエンサーを長期パートナーとすることによって、さまざまな製品などについてより深く魅力を理解してもらい、積極的に海外に情報発信を行うというプランもあります。
2次利用ができる
インバウンドインフルエンサーからWEBサイトの制作アドバイスをもらうことによって、広告制作に使った写真などの2次利用が可能です。
インバウンドインフルエンサーからランディングページやECサイトについてのアドバイスをもらい、日本のターゲットが好むWEBサイトのインターフェースやデザインを準備することができます。
WEBサイトでの英語などの表現も、インバウンドインフルエンサーに見てもらうことで、外国人に受け入れられやすいWEBサイトをつくることができるでしょう。
また、インバウンドインフルエンサーがSNSで製品などを紹介してくれた投稿写真を2次利用してWEBサイトにアップすることで、訪問した日本人ユーザーに共感してもらいやすくなります。
在日外国人がインバウンドインフルエンサーマーケティングする際の注意点について解説!
外国人が日本のことについて理解できないケースや国内の文化に慣れない環境によって、インバウンドに失敗することもあるため、いくつか注意しなければならないポイントがあります。
例えば、自国で通じる常識が、日本では全く通用しないという事例などが挙げられます。
それでは、詳しくみていきましょう。
日本文化やユーザー需要と興味の傾向を理解する
日本文化やユーザー需要と興味の傾向を理解するのは、在日外国人がインバウンドインフルエンサーマーケティングをするのに大切です。
自国で通じる常識が、日本では全く通用しないという事例が出てくることでしょう。
たとえビジネスにメリットを感じたとしても、文化やニュアンスが日本人の肌感覚と合わない場合、受け入れてもらえないという事態になる可能性もあります。
国内でもビジネスマーケティングの展開において、顧客の以降やトレンド、独自の文化などを把握して日本で通用する方法で進めなければなりません。
言語的な壁を取り除く
言語的な壁を取り除くとは、日本語によるコミュニケーションをするのが望ましいということです。
日本人にも英語を得意とする人が多くいれば、言語的な壁を取り除くことを考える必要がなくなるでしょう。しかし、次に紹介するデータで日本人が日本語以外のコミュニケーションを苦手としているのが、よくわかります。
日本人の英語力はEFエデュケーション・ファーストが「EF EPI 英語能力指数」として2022年に発表した調査によると、英語を母語としない111の国・地域のうち、80位でした。
80位という順位はEFエデュケーション・ファーストが分類している評価でも、低いレベルにあります。
日本へインバウンドインフルエンサーマーケティングを拡げていくには、言語的な壁を取り除く必要があるでしょう。
ブランドや製品の認知度が低く市場開拓の難易度が高い
日本では、海外ブランドや製品等の認知度が低いため、市場開拓がもともと難しい傾向にあります。
海外ブランドや製品等の認知度を上げるには、ビジネスについて日本人に知ってもらうことが大切です。
ビジネスについて日本人に知ってもらうということは、広告や広報活動を行う際に、宣伝広告費用が発生することを頭に入れておく必要があります。
WEBサイトや日本の店舗といった受け皿の準備が必要
ECサイトなどのWEBサイトや日本の実店舗といった受け皿は、日本へビジネスを進出させる際に準備が必要になります。
WEBサイトや日本の店舗といった受け皿の準備をするのは、製品などを実際に紹介するのに欠かせないでしょう。
WEBサイトでは、言語的な課題とあわせて日本人の好きなインターフェースやデザインを準備したり、日本の実店舗の場合は、場所なども決める必要があります。
インバウンドインフルエンサー選定時にフォロワー属性を確認する
インバウンドインフルエンサーを選定する際は、インフルエンサーのフォロワー属性を確認しましょう。
たとえば、女性向けファッションブランドで人気の女性インバウンドインフルエンサーを起用する場合、そのインフルエンサーのフォロワーが男性ファンばかりでは本来情報を届けたい女性ターゲットへ効果的にリーチできません。
フォロワー数のみではなくフォロワーの属性やインバウンドインフルエンサーの人柄、ファンとのコミュニケーションの内容、通常の投稿の質などのブランドイメージと親和性が高いインフルエンサーを選定することが重要です。
海外や新製品・サービスへの感度が高いインバウンドインフルエンサーを起用する
インバウンドインフルエンサーマーケティングにおいて、在日外国人であれば誰でもよいということではありません。
海外の情報やトレンドに精通しているだけでなく、これから展開する新製品やサービスとの親和性の高いインバウンドインフルエンサーを起用することが重要。SNSのユーザーはトレンドに敏感な一方で、インフルエンサーの雰囲気をいち早く感じ取ります。
もし、そこで違和感を感じれば効果が薄れてしまうため注意しなければなりません。
マーケティングの効果に対して影響することが懸念されるため、フォロワー属性や商品やサービスとの親和性を意識したインフルエンサーを探しましょう。
ターゲットやマーケティングの目的に沿ったSNS選択
インバウンドインフルエンサーマーケティングでは、ターゲット層の選び方が重要。さらに、目的に沿ったSNS運用を行わなければ目標値として達成することは難しいでしょう。
日本国内では、InstagramやTwitter、YouTubeなどさまざまなSNSが活用されています。
それぞれのSNSの強みや特徴について、下記にまとめました。
- Instagram:商品やサービスを視覚的に訴求でき画像に強い特性を持つ
- Twitter:キャンペーンを用いた戦略と拡散機能によって情報を広く周知できる
- YouTube:動画による解説でテキストや画像だけではカバーできない情報を伝える
このようにSNSによって強み、メリットに違いが生じるためマーケティング方法に合致したプラットフォームを選びましょう。
ステルスマーケティングを防止する
インバウンドインフルエンサーマーケティングの際は、ステルスマーケティングを防止するよう努力しなければなりません。
よくあるケースとして、報酬をインフルエンサーに渡していたにもかかわらず、企業との関係性を隠して商品やサービスに対してマーケティングすることがあります。
このような行為はステルスマーケティングと呼ばれ、企業戦略において知名度を上げる機会損失となり得ます。
もしステルスマーケティングが発覚すれば、インフルエンサーだけでなく企業のイメージダウンになりかねません。
ユーザーを欺く行為は避けるよう心がけましょう。
インバウンドインフルエンサーマーケティングの成功事例
ここでは、タイのインフルエンサー「パリンヤー・ピンシートングさん」の成功事例を紹介します。
それでは、詳しくみていきましょう。
タイのインバウンドインフルエンサー
2023年2月、タイのインバウンドインフルエンサーで、Facebookで約30万人ものフォロワーがいるパリンヤー・ピンシートングさんの事例です。
”先週末、山形県で70名以上の観光関連事業者向けにタイ人向けのインフルエンサーコンテンツ作りのセミナーに参加しました。
日本人に私の日本語を話すことは初めてでした。報道機関を含む大手機関がタイのメディアとして当社のニュースを取り上げてくれるので、夕方のテレビニュースや山形の地方新聞に出ることができることがとても光栄です。
私たち2人にこの機会を与えてくれて、温かく歓迎してくれた山形県のみなさまに感謝します。山形県の観光地はとても美しいです。他にもおいしい食べ物、そして人々は素敵でフレンドリー。タイ人が行くときは、私たちのように感銘を受けることでしょう。
#เที่ยวญี่ปุ่นดอทคอม #Tiewyeepoon #日本旅
引用:Facebookアカウント(เที่ยวญี่ปุ่นดอทคอม)”
インバウンドインフルエンサーのパリンヤー・ピンシートングさんは、Facebookでテキスト投稿の他にも、山形県でテレビ・新聞に載った様子や観光を楽しむ姿を写真でアップしていました。
山形県タイ友好協会に招待されたインバウンドインフルエンサーのパリンヤー・ピンシートングさんは、いちご狩りなどを楽しんだ後、観光関連事業者向けにコンテンツ作りセミナーの講師として壇上に立ちました。
インバウンドインフルエンサーのパリンヤー・ピンシートングさんが山形を訪れることによって、山形県タイ友好協会をはじめ、現地のマスコミに紹介されるほど山形市が盛り上がったのがよくわかります。
まとめ
日本に興味があって在日外国人がインフルエンサーとして活躍するなか、それをマーケティング事業として展開する企業も少なくありません。
日本国内の市場分析において、政府が2030年までに全体の年3.3%増を目指しており、国際観光客数は約18億人に到達する見込みです。
将来的にもインバウンドインフルエンサーマーケティングが注目されていくことが予測されており、事業として展開していく企業も増えていくことでしょう。
他にもさまざまなPR手法は存在しますが、インバウンドインフルエンサーマーケティング以外にも相性のよい方法を模索することが重要です。
この機会に、ぜひマーケティングの効果を高めて成功させることを目指してください。